お待たせしました。学生プロレスの話、つづきです。
興行の後、HWWAの代表(当時)の
ラモス瑠偉16世に声をかける。
このラモス君は、後にガチ☆ボーイの中で
『モヒモヒカン』というレスラーとして
出演してもらうことになる青年だ。
映画の中盤、豹柄の衣装を着たモヒカンのレスラーが
マリリン仮面と戦っていたのを覚えておいでだろうか。
それがこのラモス君である。
彼には後に、さまざまに協力して頂くことになる。
(蛇足ではあるが・・・)
「モヒモヒカンの正体が実はラモス瑠偉16世」と
言われたところで、
「ウルトラマンの正体が実は仮面ライダー」と
言われたみたいなもんで、
結局どっちも謎めいた存在であるから
なんら実を明かされた気がしないのがオモチロイ。
以下は、この時の取材とその後に各所で重ねた取材とで
学生プロレスに関して仕入れた情報をまとめたものだ。
・プロレス同好会は、OBとの繋がりが非常に、非常に深い。
30代・40代のOBの方が今でもレスラーとして
学園祭や新入生勧誘の興行に混じってたりする。
レスラー紹介の時に、某玩具メーカー勤務であるとか、
某新聞社勤務であるとかを暴露されていた。
・これは他団体を取材してからわかったことであるが、
学生プロレスの基本は下ネタなのである。
映画倫理委員会的に言うなら、
情状酌量の余地なしでR-18だ。
それに比べてHWWAは比較的に下ネタ色が薄く、
PG-12ぐらい(保護者同伴なら12歳未満が見てもOK)。
だから非常に観やすい。
・HWWAのOBにはかつて学生プロレスの神様と呼ばれた人がいる。
ブランコ・オギーソというレスラー名のその人は、
1980年代にあった学生プロレスブームの立役者で、
今でも天才的に面白い動きをする。
映画の中でデビルドクロが披露する「イスTF」という技は
オギーソさんの考案した技。
元ネタはもちろん某有名レスラーの「STF」。
技の名前が一字違いであるばかりでなく、
パイプイスを使って本当にSTFのような関節技を決めるのだから、
もはや芸術的と言ってもいいパロディだ。
・試合中、今回で現役を引退するという女子レスラーの
「松浦あじゃ」さんがどうやらその興行に
お母さんを呼んでいたらしく、
リング上で「お母さんごめんなさーい!」と
叫んでいたのが印象的だった。
学生プロレスをやってごめんなさいという意味もあっただろうが、
ブランコオギーソとの試合の時に、女子レスラーでありながら
オギーソの秘奥義「パンツドライバー」
(自分のスパッツの中に相手の頭を入れてそのまま頭から
地面に打ち落とす技。パイルドライバーをより破廉恥にした感じ)
をまともに喰らうという辱めを受けたからだろう。
淑女たるものが母親の前でなんという有様か。
カノッサのそれと並ぶ屈辱だったはずだ。
・プロレス同好会では、普段からお互いのことを
レスラー名で呼び合っていて、
もちろん携帯番号もレスラー名で登録されていて
本名を知らないこともザラにあるという。
合宿で名前を記帳するときに
初めてお互いの本名を知るなんて事も。
とまぁ、こんな感じである。
これらの情報は取捨選択されながら
ガチ☆ボーイに反映されていったのである。
学生プロレスって話を聞くほどに奥が深いんですね。
読み進むうちに思わず吹き出すこと2回。気がついたら、顔はにやけながら読んでいました。
投稿情報: きのこ | 2008年6 月12日 (木) 15:20
ふむふむ。
監督、こんにちわっ!
学生プロレス。リングネームがなんとも面白い。何となく、リングネームでそのレスラーの人生を感じさせる。・・・そんな事はないと思いますけど、何かあると思います。
何年経ってもリングに上がればリングネームが気持ちを躍動させる。そう言うものなんでしょうかね。
投稿情報: ふるひ~JMW | 2008年6 月13日 (金) 23:43
いつもながらの洒落たウイットに富んだエッセイに感服。
ガチ・ボーイはこの線で行くと
PG-6くらいでしょうか。
祖父母同伴なら小学生以上 OK。
カノッサの屈辱が女子プロレスの「パンツドライバー」と同じとは、、文科省の教科書検定に引っかかるのでは?!
投稿情報: 七色仮面 | 2008年6 月15日 (日) 21:35