先日、石井雅史さん(左)とお会いしました。
石井さんは元競輪選手。
2001年、練習中の事故で高次脳機能障害を負いました。
絶望の中で知ったのが障害者の皆さんがスピードを競う
障害者自転車競技の存在。
石井さんは、一度はやめようと思った自転車に再び乗る決意をしました。
それから数年後の2007年8月20日、フランス・ボルドーで行われた、
障害者による『UCIパラサイクリング世界選手権』にて、
石井さんは、男子1000mタイムトライアル(障害クラスCP4)で見事に優勝。
驚異的なのはそのタイム。
1分9秒274は、世界新記録というだけでなく、
彼自身の競輪選手時代の記録をも上回るものだったそうです。
彼の生き方はまさしく『ガチ☆ボーイ』の主人公、五十嵐そのもの。
そんな石井さんに、『ガチ☆ボーイ』を観て頂きました。
上映後にお会いして、色々お話を伺わせて頂きました。
障害を負った時の事、また自転車に乗ろうと思った時の事。
そして、これからの事。
映画を通じて高次脳機能障害の事を真剣に考えた身として、
石井さんが障害を負った身体でかつての自分を超えた時の心境を思うと
筆舌に尽くしがたく、お話しながら涙が出そうになりました。
今でも書きながら涙が出そうです。
また、事故後現在に至るまでには、
隣で一緒に映画を御覧になっていた奥様と、
三人のお子様の存在がかなり大きかった事を想像します。
やはり高次脳機能障害を乗り越えるには、
家族のサポートが大きいのだなぁと、改めて思いました。
ちなみに奥様は偶然にもプロレスファンだそうで、
その点でも映画を楽しめたと言って下さいました。
石井さんの存在は、この映画が決して絵空事ではないことを証明し、
この映画に命の息吹を与えてくれたのでした。
映画を大変気に入って下さった様子で、俺も嬉しかったです。
今でも右手で杖を突かなければ歩けない身体なのですが、
別れ際に、俺はあえて右手で握手を求めました。
「左手の握手は不吉」とか、
いつか誰かに言われたことがあった気がしたから。
北京パラリンピックを目指す彼に、そんなものは一切必要ない。
俺なんかには想像もできないほどの重い宿命を背負った
その右手はとても力強く、今でもその感触が手に残っています。
石井さんの後姿を見送りながら、
俺は心の中で五十嵐君の数年後の姿を重ねてみたのでした。
私の事実婚ダンナも「高次脳機能障害」です。階段から転落してなりました。男の厄年42歳は怖いです(苦笑)。
私のブログのトップページに、事故から5ヶ月間の出来事をまとめた小説「しるし」をリンクしてあります(「高次脳機能障害」という病名は出て来ませんが)。ダンナは奇跡の男ですよ。是非読んで下さい。できれば小泉監督に映画化していただきたい!私もダンナも自主映画作ってました。まだ8mmの時代に(笑)。ダンナの作品はPFFで優秀賞に入っています(カメラマンですが)。
先日「銀幕会議2」で「ガチ・ボーイ」の予告とインタビューをみて、「小泉監督しか私の小説は託せない」と思いました。一度読んで下さい。お願いします。
投稿情報: 島田ハルミ | 2008年3 月 2日 (日) 10:50
石井選手 金メダル おめでとう!
どこにお祝いコメントしていいかわからずここに来ちゃいました!
なんかズドーンって胸に響きました。
すごいです!すごいですねっ!
ご本人の努力の賜物でしょうが
ご家族や支えてくださってる皆さんとの
チームワークの結果なんでしょうね。
帰国後、もしお会いする機会があったら勇気をもらいましたって
お伝え下さい
投稿情報: りん@札幌 | 2008年9 月10日 (水) 13:14
石井選手と奥さんの智子さん、お父さん
をはじめご家族の皆さんのお話、
これ以上の話が世の中にあるでしょうか?
監督のこのブログのお話も素晴らしいです。
で、勝手に全文をURLと一緒に私のブログに
貼らせていただきました。
事後承諾で恐縮です。問題あればすぐに
取りますので、ご連絡ください。
投稿情報: sunearth | 2008年9 月13日 (土) 01:26