いよいよ明日、映画『ガチ☆ボーイ』のDVDが発売されます。
皆さんどうぞよろしくお願いします。
さて、先日の続きです。
高次脳機能障害の症状は、
実は単に記憶障害だけではなく、
数多くの症状があって、その一つに
記憶障害があるというのに過ぎない。
以下に主な症状を並べた。
1) 精神的に疲れやすい(すぐに眠たくなる)
2) 集中力がなくなる
3) 言葉を理解できない、表現できない
4) 新しく何かを覚えられない(記憶障害)
5) 状況に応じて正しい行動がとれない
6) 感情に抑制がきかない(怒りやすい)
7) 意欲の低下(やる気がない)
8) 判断力の低下
9) 物事を計画して実行できない
10) 自分の障害を自覚できない
これらの症状が、損傷箇所や個人差によって複合的に見られる。
「複合的に見られる」というのは厳密に言うと誤りで、
要するにこれらはすべて、高次脳機能障害の根本的な症状である、
「脳が疲れやすくなる」ということに起因している。
つまり、こういう事だ。
脳が疲れやすい。
↓
脳が疲れやすいと精神的に疲れやすい。
↓
精神的に疲れるとイライラしてくる。
↓
イライラすると集中力がなくなり、注意が散漫になる。
↓
注意が散漫になると、記憶力が落ちる。
というように、脳が疲れやすくなってしまうことで、
それぞれが連鎖して症状を引き起こしている
ということなのである。
さて、上記にあげたこれらの症状。
何か共通点にお気づきではないだろうか。
実はこれらの症状はすべて、
その人自身の『性格』の延長とも言えるものばかりだ。
つまり、五体満足の人でも
怒りっぽい人や忘れっぽい人は世の中に幾らでもいる。
やる気の無い人も、
計画性の無い人も、
集中力の無い人も、もちろんたくさんいるだろう。
これを書いている俺だってそうだ。
外見で明らかにケガをしたという痕跡が無い限り、
これらの症状は単に、その人自身の人間性として
見過ごすこともできてしまう。
だから、高次脳機能障害は医師からも診断されにくいし、
(時には精神病と診断されてしまう)
身近な人でさえも気がつかないことが多いのだ。
この "気づかれにくさ" が患者の皆さんを苦しめる。
医者には「異常なし」と診断されているのに、どこかが違う。
約束をよくすっぽかす。
何か気にくわない事があると、すぐにキレる。
話を聞かない。
初対面やお客さんに対する礼儀がない。
それでいて本人に自覚症状がない。
このような人と根気よく付き合っていける人はごく稀で、
職場は愚か、友人たちにさえも
「あいつ変わったな」と距離を置かれてしまうだろう。
では、まともな社会生活を送れなくなってしまって尚、
最後の最後まで根気よく見守ってくれる相手とは誰だろう。
たとえば家族。
多くの人にとって家族は、
何の見返りもなく無償の愛情を与え続けてくれる存在である。
多少の事では見捨てないし見捨てられない。
だから、高次脳機能障害の治療には、
家族の支えが要になってくる。
ガチ☆ボーイの中では、
変わってしまった息子を心配しつつも
なかなか受け入れられない父親と、
兄を献身的に支える妹という家族像を描いた。
監督、こんにちわっ!
見た目や普段の行動では分からない。
本人も、周りの人も、なかなか大変だと思います。
たまに会っていた祖母は痴呆症でした。たまに会う程度ですので、痴呆症なのかも分からないくらいだけど、両親は充分な程に痴呆症を感じていた。
母親は「鬱」になってしまったけど、たまに会う分にはよく分からない。けど本人は辛い。父は一緒に戦っている。
何か出来る事は。
やはり親子ですのでね、色々考えますし、私も付き合って行こうと思っていますし、行動しています。
高次脳機能障害など比べれば、全然大した事ではありませんけど、家族と言うのはそう言うものだと思います。
それは特別な事ではなく、当たり前の事なのかも知れません。
ガチ☆ボーイDVD(ガチンコエディション)買いました。まだ観れてません(>_<)
お店に行ったら売ってなくてですねぇ~焦りました。
予約のキャンセル待ちして手に入れたくらいですよ。
週末じっくり観たいと思います。
投稿情報: ふるひ~JMW | 2008年9 月19日 (金) 01:18
ガチ☆ボーイのガチンコ・エディション素晴らしいです!
本編はもちろん、ポラロイド等の封入特典も、メイキング&未公開シーン等の映像特典も♪本当にありがとうございます!
そして。今回の監督のお話、このような記事を書いてくださり嬉しくてたまらないです。
私は個人的に高次脳機能障害であるADHD等の発達障害に関心があります。社会的にもっと知名度・理解度が高くなってほしいと願っています。
周りも、家族も、本人すら 気づけない障害 を持ったことによる不幸な例は、潜在的に少なくないと思うのです。
五十嵐くんは幸い、記憶障害を抱えながらも本人の魅力的な個性・姿勢等もあり、家族や周りから受け入れられていますが、発達障害の場合、知的障害と違うため、あくまでも一見 普通に見えるのに「変な人」と思われます。本人の意思ではどうにもできない 社会的にジャマ・障害になる特徴のある個性・姿勢がうまれてしまいます。家族からも呆れられ理解されずにいる人も現実にいると思います。(私の友人に該当するのではと思われる人がいて、今、他人である私がどのようにすべきか自分なりに悩みつつ動いてみてるところです)
極端な話、犯罪と絡んでしまうケースだってあると思うのです。
発達障害は、最近は新聞等でも少しは取り上げられることもありますが、まだまだ知られていない障害。
もっと知られたら、本人も周りも
気づく可能性が高まり、不幸な人生を送る人が減るような気がします。
(特に年配の方にとっては知らなくて当然のような障害で、本人自身も気づかないまま、長い人生を理解されないまま送っていると思われる人もいます)
ガチ☆ボーイとはまた違った物語で、高次脳機能障害を描いてほしいです。
ガチ☆ボーイが心から大好きです!
だからこそ、このような記事を書いてくださる小泉監督に、また作品をつくって頂きたいです。
こんなところで勝手なお願いをしてしまい申し訳ありません。
長々と失礼しました。
(私自身、ADHD的要素は持っています)
『ガチ☆ボーイ』に感謝の気持ちでいっぱいです。ガチンコ・エディションは私の宝物です♪これからもずっと大切にします。
ありがとうございます。
投稿情報: みー | 2008年9 月20日 (土) 00:16
こんなに病気のことを精査、勉強されて、高次脳機能障害で高名な医師の監修を受けて、現実のプロレスの人達から研修、指導も受けて、映画創りをしていく過程が、今回発売になったガチ☆ボーイのDVDのガチンコ版のメーキングに細かく描かれていた。 今、真面目な姿勢での映画創りに感動しています。
投稿情報: 助監督 | 2008年9 月22日 (月) 10:35